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第3回「緑の知の拠点事業」シンポジウム&成果報告会が開催される(3/14)

 本学大学院新技術創成研究所では、文部科学省大学発グリーンイノベーション創出事業「緑の知の拠点事業」の第3回シンポジウム&成果報告会を3月14日(金)、ベストウェスタンプレミアホテル長崎で開催し、大学、企業、行政関係者等、約100名が出席した。
本事業は全国で名古屋大学と本学の2カ所が選定され、最終年度となった今回は、エネルギー経済学及び管理システムに関する基調講演と、事業の3年間のまとめとして成果報告を行い、次年度からのオープンフィールドとしての活用を紹介するためのデモンストレーションを併せて実施した。
 
 貴島勝郎学長の開会挨拶の後、基調講演として、京都大学大学院総合生存学館の池田裕一教授が「再生可能エネルギーと電力系統のエネルギー経済」と題して講演。大量の自然エネルギーを導入する、持続可能社会の電力システムの考察 (CO2削減シナリオ・電力需給均衡・導入変動要因・コスト均衡点・促進施策)について報告の後、太陽光発電出力と地産地消の経済性相関や、風力発電の系統連携と複数地域の統合運用とその経済性について、東電管内における研究状況を説明し、今後、電力自由化と電力市場の制度設計の検討が必要だと述べた。

 同じく基調講演として、東京大学生産技術研究所エネルギー工学連携研究センターの岩船由美子准教授が「エネルギーマネジメントシステムの動向」と題して講演。自然エネルギーと電力系統との協調について概要説明があり、続いてBEMS(ベムス: ビル用エネルギー管理システム)/ HEMS(ヘムス:家庭用エネルギー管理システム)の動向の説明があった。BEMSは費用回収可能となってきているが、一層の普及には更に低コスト化や機能最適化が必要。これに対して、HEMSは規模的にエネルギー管理だけでは費用回収困難なため、単機能化など低コスト化するか、住宅情報システムとして高機能化するかの2つの方向性があることが指摘された。また、EMSの役割として、系統連携貢献(需要調整、ピークカット)、エネルギー環境貢献(省エネによる環境負荷削減)に加えて、QOL貢献(安心・安全・快適・便利・光熱費削減楽しみ)があり、見える化、属性・行動データ情報の活用、連携制御技術などについて、東大「COMMAハウス」の実験例を交えて研究報告があった。

 成果報告会では、本学がこれまで取組んできた3年間の研究成果の概要について、研究代表者の田中義人教授が説明し、本学が開発したマイクログリッドシミュレータが、小規模レベルでの自立化を目指した、有効性を確かめるものであり、従来と比較し高速で処理出来るシステムで様々な電源の組合せを模擬的に検証できる特徴を持ったシステムであることを説明。システム開発者の下島真教授が、学内にあるスマートハウス(ENEハウス)を用いた実験状況について、学内に設置された電源エミュレータから遠隔操作により会場内でエミュレーションの様子を公開した。

 続いて、サブテーマとして、「グリーンエネルギーデバイスのモデル化」(リーダー:日當明男教授)、「潮流発電」(リーダー:林田滋教授)、「バイオマス発電」(リーダー:平子廉教授)、「高性能リチウムイオン電池」(リーダー:山邊時雄教授)について、それぞれ詳細な報告が行われた。

 さらに、本事業との連携事業である、ハウステンボスの「次世代エネルギー技術の実証事業」に参画したシステムファイブ株式会社 佐藤康彦氏より、「ハウステンボスとの連携事業」として、電力需要10%削減を目標に人の行動による需要削減を促すリコメンド実証、地場企業による可視化アプリケーション開発について成果報告がなされた。

 最後に池田裕一教授が講評を行い、「本学の高速マイクログリッドシミュレータは、研究開発のツールとして有効であり、各テーマ別にシステマティックな研究が行われ、強い要素技術が開発されている印象を受けた。ハウステンボスとの連携事業についてもイノベーションが実際に起きていると感じた」と評した。

 今後本学では、地域の電力需要データによるエミュレーション実証研究や、新しい自然エネルギーデバイスの開発検証、学内スマートハウスを利用したEMSアルゴリズムの開発検証を継続するとともに、エミュレーションフィールドの公開を進めていく予定。引き続き受託研究や共同研究を募集している。

□長崎総合科学大学大学院 新技術創成研究所
/center/ri4/ 

□長崎総合科学大学 産官学連携センター
/cigac/index-1.html

シンポジウム&成果報告会の様子

シンポジウム&成果報告会の様子

池田裕一氏による基調講演

池田裕一氏による基調講演

岩船由美子氏による基調講演

岩船由美子氏による基調講演

田中義人教授による本学の成果報告

田中義人教授による本学の成果報告

下島真教授によるエミュレーションの説明

下島真教授によるエミュレーションの説明